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再び笙ノ窟谷に古道を求めて

 昨年4月末に田村義彦さんと和佐又笙の窟谷で古道の探索をした。<和佐又山・笙の窟谷に古道を求めて>
 今年6月28日に4名(Sさん・Tさん・Kさんと私)で和佐又に出かけた。今回の目的は九助ノ尾付近の古道を探るために岩本新道から九助ノ尾へ出る道を探ることと、底無し井戸付近の岩場のルートを見なおしであった。昼ごろから雨が降り出したがそれまでは曇り空で和佐又ヒュッテ付近は薄くガスがかかっていた。出発してスキー場を過ぎたところで追い越して行った女性の修験者の吹くほら貝の音が時々聞こえてきて大峰らしい雰囲気を醸しだしていた。

 コルから笙ノ窟への稜線の両側のスズタケは、昨年は枯れたようになっていたが、いまは青い若葉がたくさん出て元気になったようだ。今年は二ヶ月遅いので時期的なものか、すると冬に葉がなかったのは鹿が食べたから、ともかく今は沢山葉が出ていた。竿が黒ずんでかれているようなところは見られなかった。昨年大台ケ原(大台教会下)で見たものと同じスズタケの花がところどころに咲いていた。それに今年は剥皮されているキハダは見ることはなかった。和佐又のコルから底なし井戸への道ではスズタケはここよりも状態が悪く、竿が黒くなっているのが目に付き、枝が房状になっているのはあったが花が咲いているのは見られなかった。

和佐又のコルから稜線の左側
葉が沢山出て来ている
花と房状になった枝

 鷲の窟の西側から岩本新道を少し下ったところの右側に大きな岩場があり、前回その下に道らしいのがあるのを見ていたのでそれをたどると九助ノ尾に出られるのではないかと考えていた。行ってみると獣道で先の斜面は崩れている。空荷で足元に注意して先を見に行く。その先は同じく岸壁の根がところどころ崩れて小さな谷が発生している。谷と谷の間は小さなこぶ状の地形で先は鋭く落ち込んでいる。このあたりは道として利用されたとは考えにくいので一時間ほど探索して元に戻り岩本新道を下る。今回は前回より季節が2ヶ月遅いので葉が茂り見通しは悪く、上を仰いでも笙の窟の岸壁は見えない。岩本新道は大きく左にトラバースして、また右に戻っていく。右の折り返し地点に来る頃には傾斜がずいぶんゆるくなっているので、九助ノ尾を登ってきた道は最後の岩場の急登を避けてこのあたりで今の道に出たとは考えられないだろうか。今は下層植物が一面に地面を覆っているので様子がわからない。次回は九助ノ尾を登りながら探索するのがいいと思われる。

 和佐又のコルから底無し井戸間の道にでて底無し井戸の方に向う途中、九助ノ尾で昼食をとる。少し前から雨が上方の木の葉をたたく音が大きくなってきているが、地上にはまだ落ちてこない。不思議な気がする。 底無し井戸の手前、かつて転落事故が発生した場所を『足場は狭いが、注意深く歩けば事故は防ぐことが可能。注意を促すような看板を、区間の両端に設置したい。』とした環境省を評価した。<和佐又から無双洞を歩いて・・・>
 その看板が出来ていたが、全くそぐわない。今更ながら、なぜ必要なのと言いたくなる。

 雨にぬれて滑りやすくなった底無し井戸付近の鎖場を注意深く下る。SさんTさんも鎖場の鉄筋と鎖の取り付けの悪さを指摘していた。降りてから岩場の安全な巻き道はないかと少し探ってみる。左側の谷の下部に大きな岩がありその上部はゆるい傾斜のようである。この岩は2ステップほど工夫したら簡単に登れそうだ。後は谷から岩場の上部に出るルートを見つける必要があるがそれが見つかったら今よりも安全なルートができるのではないかと思う。

 田村さんの資料を参考に何か解るかと期待して来たが、少し前進した程度で課題だけが残った山行になった。SさんのアドバイスとTさんの行動力にずいぶんと助けられた。GPSによる位置測定で次回の目標点のプロットもできた。是非、続編をやりたい。

 帰途、和佐又のコルまでの間はガスが発生し、幻想的な雰囲気を醸しだしていた。大きなヒメシャラの倒木が道を塞いでいた。寝返った根が痛々しい。根を踏まれながらも「巨大ケヤキ」は堂々とその存在感を示して立っていた。巨大な自然の力を感じる。

2008年07月04日 森本幸治


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