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2008年11月11日

環境大臣 斉 藤 鉄 夫 様

大台ヶ原・大峰の自然を守る会
会長  田村 義彦
事務局:木津川市南加茂台1-14-10
森本 幸治方
Tel&Fax:0774-76-2844

   

吉野熊野国立公園大台ヶ原周回線歩道の早急な補修を求める申入書

【歩道整備の経緯】
 貴省は2004年から2007年にかけて表題の歩道2200mの整備工事を行ないました。
 実は、1998年度に策定した大台ヶ原整備5ヶ年計画に基づいて1999年から2000年に施工した木道が過剰整備であると世論の強い批判を受けましたので、工事を中止して基本計画を見直すことにしました。そして2年かけて住民参加の現地説明会、世論調査などを行なって2003年に「大台ヶ原周回線歩道整備基本計画」を策定しました。その基本計画に基づいて行なわれたのがこの歩道整備でありました。

 その工法として、コンクリートをつかわない空積み石というわが国の伝統技法が、時の亀澤玲治近畿地区自然保護事務所長の英断により採用されました。画期的な方針転換でした。そして、採算を度外視した業者の献身的努力により工事は見事に仕上りました。業者は自発的に山中で石の埋め込み実験まで行ないました。
 本会は工事中に度々現場を訪ね、石工さん達と意見交換をして、それを貴事務所に報告し、工事に反映されました。一方、本会の意見をホームページに掲載しました。業者はそのホ−ムページを見て、足らない資材を用意したり工事手法を変えたりしました。官と業と市民のささやかな協働でありました。

 そのようにして完成した歩道は登山者に違和感を与えない自然な歩き心地で好評でした。そして、その年の5回の台風と4200ミリというわが国有数の豪雨に見事に耐え抜きました。正に、全国の国立自然公園の歩道整備の範足る工事でありました。
 これもひとえに、深い山中で黙々と石を積んでくれた石工さん達の技術の確かさと、「社長に叱られる」と笑いながらも手を抜かなかった誠実さの証明であります。勿論、この画期的な基本計画を策定、遂行した貴事務所のご英断に敬意と感謝の念を抱いております。

【歩道の現状・・・早急に補修を】
 そして着工以来4年が経過しました。ところが、その間毎年、数回の台風と数千ミリの豪雨に見舞われたことによって、水止め工・石階段工に石の緩みや崩れた所、石が大きく動いている所が生じました。昨年からその傾向が見られるようになり、今年に至って顕著になりました。

 しかし、そのような箇所の手直しがなされた形跡が全くうかがえません。吉野自然保護官事務所の自然保護官、アクティブレンジャーは当然この変化に気付いて報告しているはずですが、貴省はどの様に判断されているのでしょうか。

 貴省は「山岳地域における歩道のあり方について」について、「細かな維持管理、継続的な維持・保修の充実」を謳っています。
 「大台ヶ原周回線歩道整備基本計画」には「継続的な維持管理に配慮した整備を行なう。」と明記されています。
 また、2004年には貴事務所は「補強に努めるほか、適切な維持管理という面からきめ細かい補修を心掛ける」と本会の要望書に回答しています。

 しかし、現状は貴省の方針に明らかに反します。このまま放置して、石工さん達の努力と1億4千6百万円の税金が豪雨に流れ去るのを傍観することは許されません。

 僅か数年にして、いま、貴省近畿地方環境事務所には当時を知る職員は一人もいません。しかし、事業の継続性からして、これ以上傍観放置すれば怠慢の誹りを免れません。

 従来の所謂箱物時代は補修費が付きませんでしたが、現在は付いているはずです。石組みを元に戻す早急な補修予算措置を講じていただきたく、お願い申し上げます。

追記
 この様な補修整備は、現地事務所の権限であることは勿論承知致しておりますが、事がひとり大台ヶ原に関わるだけではなく、全国の国立公園の歩道修復に関わる重大な事柄だけに、あえて貴職に直訴する次第であります。本状を現地事務所に回して終わりにされることなく、大臣のご判断をお願い申し上げます。ご賢察ご配慮の程をお願い申し上げます。

以上


その後の経緯

環境省 迅速適切な補修工事を実施


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